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認知症の人々を地域社会全体で支えるために 小松島市で認知症ライフサポート研修開催

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新聞、TVのニュースなどで、認知症にまつわる話題を目にしない日がないほど、認知症は国民の誰にとっても身近で切実な問題になっています。認知症高齢者は2012年時点で462万人、予備軍も含めると65歳以上の4人に1人がなんらかの認知障がいをもつと言われています。
増え続けている認知症の人とその家族を支援するためには、暮らしに最も身近な基礎自治体の積極的な取り組みが大切です。各市町村は厚労省の「認知症施策推進5か年計画」(オレンジプラン)*注)にそって、認知症ライフサポートモデル」の普及・推進に向けた支援事業を実施しており、健祥会グループ各施設はこの支援事業を積極的に受託し、「認知症ライフサポートモデルを実現するための認知症多職種協働研修」を開催しています。
ケアハウス 健祥会アムスでは、2013年度に続き2014年度も小松島市よりの委託を受け、小松島市内の事業所で認知症高齢者と家族の支援に携わっている専門職や行政関係者を対象に「認知症ケアに携わる多職種協働研修会」を開催しました。


小松島市ミリカホールで行われた研修会には、さまざまな事業所から、ケアマネジャーや介護職、理学療法士、看護師、薬剤師など、介護・医療の専門職と、地域包括支援センター職員や行政職ら33名が参加。徳島健祥会福祉専門学校介護学科専任教員の西山惠子が講師を務め、テキストやDVDを使った講義にグループワークを織り交ぜて、認知症になっても安心して暮らせる地域であるための総合的な支援の在り方について学びました。
認知症ライフサポートとは、介護・医療を含む統合的な生活支援であり、その人の生命、生活、人生の全体を支えることです。認知症を抱えて生きる人が生活者として必要としていることを多面的に捉え、専門職間で目標を共有し、相互の役割や機能を理解した上でチームとして認知症の人を支えます。大切なのは「自己決定を支える」「自らの力を最大限に使って暮らすことを支える」「住み慣れた地域での継続性のある暮らしを支える」という3つの視点です。
参加者は、認知症ライフサポートについての理解を深めた上で、事例を使ってのグループワークに臨み、それぞれの役割とチームケアについて学びました。文字通り、多職種が集う研修となり、横のつながりによる仲間づくりがすすみ、情報交換や連携・調整、そして協働へとステップアップしていくことが期待されます。実りのある研修会になりましたことを、事業主体である小松島市と熱心に受講してくださった参加者の皆さんに御礼申し上げます。

 

*注)厚労省では、先頃、認知症の人が10年後には約700万人に達するとの推計を盛り込んで、認知症対策拡充のための国家戦略案をまとめ、2013年度から実施されている「認知症施策推進5か年計画」(オレンジプラン)を、新たに「認知症施策推進総合戦略∼認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて〜」(新オレンジプラン)として策定しました。

[記事公開日]2015/03/07(土)
[最終更新日]2018/11/07(水)

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