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「絆の老施協!創ろう科学的介護、新たな挑戦」
平成23年度全国老人福祉施設研究会議岡山会議報告

10月4日5日の両日、岡山市にて平成23年度全国老人福祉施設研究会議岡山会議が開催され、健祥会からもさらなる20年を担う若手を中心に70名の職員が参加しました。初日は開会式典のあと、全国老施協 中田清会長による基調報告「絆の老施協!創ろう科学的介護、新たな挑戦」に続き、来賓として中村博彦理事長が「日本復興・2020年日本の社会保障制度は」として状況報告を行いました。


全国老人福祉施設協議会
常任顧問・参議院議員
中村博彦健祥会グループ理事長

中村理事長は「国内では産業が空洞化し、医療・介護・保育・農業といった内需産業が経済を支えなければならない。供給体には経営力、人材養成力が必要だとされる。一方で特養待機者はいっこうに解消されず、改正介護保険法では地域包括ケア構想がすすめられようとしている。増えていく高齢者、認知症高齢者を誰が担うのか・・・その最前線に立つのは特養しかない。我々は制度に対してもの申すとともに、供給体改革により、特養を再構築しなければならない。特養が必要とされる施設として生き残るために、おむつゼロ、認知症ケア、リハビリテーション、口腔ケア、看取り看護をつくろう!健祥会では『母への思いをかたちに』として5つの挑戦を掲げている。我々には今、介護力、経営力、人材養成力、地域貢献すべてが問われている。それを担っていくのは皆さん方だ。専門性高く、科学的介護を構築し、地域への拡大再生産に挑戦し、介護現場を人も羨む職場としていこう!」と会場を埋め尽くしたを3200人の参加者に力強く語りかけました。

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「科学的介護のすすめ〜エビデンスに基づく介護〜」
国際医療福祉大学大学院教授 竹内孝仁氏

「科学的介護、すなわちエビデンスに基づいた介護がやっとスタート台に立った。これまで理論も科学性もエビデンスも持たなかった介護が、ようやく他の専門職に方を並べうる可能性を持つ時代になったのだ。手段としての行為の繰り返しではなく、目的を持ちその達成のために、基礎知識、理論、技術、経験を求めてほしい。もう一息で新しい時代、ぜひしっかり勉強して科学性を身につけて新しい自分に出会ってほしい」と介護職に期待を込めて語りました。


記念講演「心豊かに生きる」
ノートルダム清心学園理事長 渡辺和子氏

「どういう仕事をするかではなく、どういう気持ちでするかが大事。この世につまらない仕事はない。やっつけ仕事としてするのではなく、相手の幸せを願う気持ち、私しかこめることのできない気持ちをこめる。不機嫌は環境破壊、周りにダイオキシンを振りまいているようなもの。環境の奴隷ではなく、環境の主人公になってほしい。人生には挫折つきもの。決して思い通りにはならないけれど、それぞれの置かれた状況で咲けばいい。咲けない日は根を下へ下へ張っていれば、次に咲くときは前より大きく美しく咲ける。仕事をするだけの人間になってはいけない。今日はあなたの残りの人生の中で、いちばん若い日。だとしたら笑顔で若々しく生きていこう。ダイオキシンを出さず、感謝と微笑みを忘れず、ぬこもりの心で、ひとりひとりの魂と接してほしい」と心に染みるお話をいただきました。


■施設刷新・戦略本部理学療法士河野博史 が研究発表

5日は7つの分科会に分かれての研究発表。健祥会からは第4-1分科会「ADL・QRLの改善・向上(口腔ケア、リハビリケア)」において、施設刷新・戦略本部理学療法士河野博史 が「施設入所者における転倒事故の状況とその予防対策に関する一考察」と題して発表を行いました。

「骨折、要介護度の重度化、死亡の主因であり、自立生活や生命予後を左右する要因となる転倒高齢者の転倒について、転倒事故の状況調査を実施。検証の結果、転倒予防対策として、身体的機能の向上、適切な移乗歩行補助具の選定、認知的行動能力に添った運動行動プログラムをつくることが、個別アプローチとして必要。またリハビリ専門職がチームケアの中核となり、リスク管理を行うとともに、生活環境の障壁を空間的に把握し、施設全体をリハビリ空間とすることが求められる」

[記事公開日]2011/10/06(木)

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