初出場で緑風会チロルが優勝!
令和5年度年間取組発表会決勝大会
利用者様によりよい介護をお届けするために、また、現場の士気と意欲を高め、介護の楽しさ、やりがい、誇りを職員みんなで共有するために、健祥会グループのすべての高齢者施設と身体障害者施設では毎年統一テーマに沿った取り組みを実践しています。1年間取り組んだその成果を報告しあい評価しあうのが「年間取組発表会」(本部経営戦略推進部、施設サービス力向上委員会、在宅サービス力向上委員会、食・栄養向上委員会主催)。事前に行われる施設種別ごとの5会場での予選を勝ち抜いた7施設が、健祥会トゥモローホールで開催される令和5年度の決勝大会に臨みました。
当日、7施設の発表者と応援団が満を持してトゥモローホール入り。常務理事中村晃子、専門学校健祥会学園校長武田英二をはじめ、グループ本部の管理職、ステージリーダーら審査員の前での発表の模様は全施設にライブ配信されました。
令和5年度の統一テーマは、「コロナ禍の今だからできること~コロナに負けない生活 潤いと楽しみの提供と求められる生産性の向上~」。決勝進出を果たしたのは、介護老人福祉施設ふるさと那賀、ケアハウス健祥会アンダルシア、グループホーム健祥会こころ、特別養護老人ホーム緑風会チロル、特別養護老人ホーム笑顔、介護老人保健施設センターヴィレッジ、特別養護老人ホーム健祥会家康・ケアハウス健祥会うだつの7施設です。
介護老人福祉施設ふるさと那賀
失われた日々をのりこえて~今、わたしたちができること~
コロナ禍で薄れてしまった利用者様とご家族、ご家族と施設とのつながり。ポストコロナの今、安心な日常を維持しながら、このつながりを取り戻し、よりあたたかなものとするためにユニットごとに取り組んだ4つの事例が紹介された。「私という物語」を生きる一人ひとりに向き合った「個別ケア」への喜びと手応えを得た取り組みだった。
ケアハウス健祥会アンダルシア
3M削減の取り組み~私たちの職場は私たちがつくる~
新型コロナウイルス感染症により、入居者様・利用者様にも職員にもさまざまな影響と制約がもたらされる中、工夫しながら、さまざまな機会を通じて潤いと楽しみの創造に努めてきたこと。アンダルシアが地域の先駆けとなるという強い意思のもと、イベントや外出行事、学びの場も再開していったことが、紹介された。また生産性向上プロジェクトチームを立ち上げ、3M気づきシートを活用し、ムリ・ムラ・ムダの削減による業務改革に取り組んだことが報告された。
グループホーム健祥会こころ
こころ×デジタルで寄り添う支援を
全室に介護ロボットが導入されているという施設特性を活かしての取り組み。
見守り支援システムによる覚醒時に合わせた巡回、iPadやYoutubeの活用、パラマウントベッドとの連携などをすすめ、システム活用の事例も紹介された。結果、潤いと楽しみの創出が実現、利用者様満足やコミュニケーションの充実、生産性アップにもつながるとともに、ICT活用の障壁となっている職員の苦手意識を乗り越えられた。
特別養護老人ホーム緑風会チロル
チロルDX推進チームの軌跡~点と点が繋がった瞬間~
介護ロボット・ICT機器の普及・活用を図ることで、利用者様・ご家族、ひいてはグループ全体への貢献も果たしたいという意欲のもと、DX推進チームを発足。職員への意識調査にはじまり、他法人見学、デモ機の導入・体験・学び、そして検証、施設ブログでの取り組みPRなど、定めた目標へ向かってきっちりと取り組んでいた結果、施設全体の意欲の高まり、スマート介護士資格取得、メーカーからの実証実験依頼にもつながった。生産性アップの鍵は、職員が笑顔で活用すること。それが利用者様の笑顔も連れてくる。悪しきは失敗することではなく、何も考えず何もしないこと。同時に、情報発信の大切さを学んだ。
特別養護老人ホーム笑顔
マスクの下も朗らかに~新しい明日に向かって いま私たちにできること~
「利用者様とご家族が望む生活を提供すること」を目標に掲げて取り組んだ。
職員の気持ちと現実のギャップを見つめ、リスクを恐れてばかりでなく、入居者様の笑顔のために新しい生活様式と向き合うことからスタート。入居者様にとって開放的な時間となる四国遍路巡りや、お祝いの日や誕生日を特別な日にするハレの日プロジェクトを企画し、たくさんの笑顔に会え、職員のモチベーションにもつながった。入居者様とご家族へ、職員の思いを伝える機会もつくることができた。
介護老人保健施設センターヴィレッジ
心も、体も、健康的に、暮らす・働く
コロナに負けない生活とは、入所者様も職員も元気に暮らす・働くこと。そのために、入所者様に対しては、せいらん体操の更新、農園の開設、いきいきたいむ(地産地消の時間)などで、潤いと楽しみを創造し生活の質を上げる。職員へは、一人ひとりの働く力を磨き、新しいものを生み出す力を身につけることをめざし、働き方改革を推進。腰痛予防体操の習慣化、介護ロボットやICTの活用、業務負担の平準化、次世代育成などに取り組んだ。入所者様・ご家族へのアンケートから未来をのぞくと見えてきた多様化個性化の流れに向かって、より個を大事にしたオンリーワンの次世代介護へ!
特別養護老人ホーム健祥会家康・ケアハウス健祥会うだつ
一人ひとりの希・努・愛・楽~あなたの願いは私の願い~
希・努・愛・楽という目標を設定し、入所者様とご家族のニーズを知るためにアンケートを実施。息子の願いと母からの息子への想いを叶えるために、すべての職種が連携して、問題点を洗い出し、心身機能の改善に努め、願いを実現した事例が報告された。ICT活用の標準化のもと、人とのつながり、思いやりに満ちた取り組みができた。地域に向かっての見える化の推進、特養初となる第三者評価事業への取り組み、シフト自動作成システム導入、ネイルサロン事業、など進化を続けていく。
どの施設も、内容、まとめ方、プレゼンテーション、ともに素晴らしく聞き応えのある発表でした。甲乙付け難く、悩ましい審査でしたが、19人の審査員が熟慮の末、各3票を投じ、初出場の特別養護老人ホーム緑風会チロルが優勝の栄冠を射止めました。
結果は以下の通りです。発表内容をまとめたポスターも同時に審査されました。
プレゼンテーションの部 | ポスター発表の部 | |
---|---|---|
最優秀賞 | 特別養護老人ホーム緑風会チロル | 養護老人ホーム健祥会エジンバラ |
2位 | 介護老人保健施設センターヴィレッジ | 特別養護老人ホーム健祥会たんぽぽ |
3位 | 介護老人福祉施設ふるさと那賀 | 老人保健施設健祥会シェーンブルン |
社会福祉法人緑風会・青嵐会評議員 西山惠子氏、社会福祉法人緑風会監事 佐藤茂夫氏、専門学校健祥会学園校長 武田英二よりの講評に続いて、表彰式が行われ、常務理事中村晃子より、受賞チームに表彰状と賞金が贈られました。
常務理事 中村晃子総評
皆さんお疲れ様でした。そして入賞施設の皆さんおめでとうございます。
初出場で優勝を果たした緑風会チロル。圧倒的なプレゼン力でした。DXでグループを牽引していこうという強い意気込みを感じました。コロナ禍の今だからできることとして、学ぶことに集中し、入念な計画のもと、DXを持続性あるものにするために進めていった過程、生産性に重きを置いた取り組みは素晴らしかったです。
初出場組の健闘が光った今大会でした。ベテランと新しい力で、グループ内によき競争が生まれ、成果につながっていることを嬉しく思います。
3年にわたるコロナ禍を振り返りつつ、検証しつつの令和5年度、感染症対策もしながら、難しいテーマへの取り組みだったと思います。現場では、私の想像の及ばぬほどの苦労であったと思いますが、この経験は必ず財産になっています。失われた4年間ではなく、これを糧として、施設は強くやさしくなれたはずです。利用者様やご家族の想いに心を馳せて、工夫し柔軟に取り組んだ経験を、施設力アップに繋げてください。
令和6年度のテーマは、利用者様の生活と職員の日常業務にかかせないもの~「こころ」×「digital」~です。健祥会グループはICT機器や介護ロボットなどを先駆的に導入してはいますが、まだまだ発展途上。試行錯誤の段階であり、使いきれていないのが現状です。そして、今後よりよいサービスを作っていく上で、「こころ」と「デジタル」の両輪は必須です。今日の発表の中にもデジタルの活かし方について参考になるものがたくさんありましたので、しっかり自施設の取り組みに取り入れてほしいと思います。
このテーマのもと、来年どんな発表が聞けるか、楽しみにしています。
[記事公開日]2024/03/22(金)
[最終更新日]2024/03/25(月)