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年間取組発表会決勝大会
ふるさと那賀、見事な連覇!


健祥会グループのすべての高齢者施設と身体障害者施設は毎年統一テーマの下に、サービス力と利用者様の満足度の向上のための取り組みを実践しています。その成果を報告し、評価しあうのが「年間取組発表会」。2020年以来、コロナの状況により開催のカタチを変えながら、それでも途切れさせることなく継続してきました。
令和4年度のテーマは「選ばない、断らない、諦めない。〜『専門性』と『連携』で、私たちが地域の福祉をリードする。〜」です。
3月14日、施設種別ごとの予選を勝ち抜いた7施設が、健祥会トゥモローホールで開催された令和4年度の決勝大会に臨みました。

決勝進出施設
健祥会デイサービスセンター徳島
特別養護老人ホーム健祥会家康
グループホーム笑顔毎日
特別養護老人ホームエリザベート成城
介護老人保健施設センターヴィレッジ
小規模多機能ホーム緑風会登子・デイセンター緑風会尊氏
介護老人福祉施設ふるさと那賀
決勝進出施設
健祥会デイサービスセンター徳島
特別養護老人ホーム健祥会家康
グループホーム笑顔毎日
特別養護老人ホームエリザベート成城
介護老人保健施設センターヴィレッジ
小規模多機能ホーム緑風会登子・デイセンター緑風会尊氏
介護老人福祉施設ふるさと那賀

健祥会グループ理事長中村太一、健祥会グループ常務理事中村晃子、専門学校健祥会学園校長武田英二をはじめ、社会福祉法人緑風会監事佐藤茂夫、社会福祉法人緑風会・青嵐会評議員西山惠子、グループ本部の管理職、施設長の中から選任されるステージリーダーらが審査員となって、職員の前で、1年間頑張ってきた取り組みと成果がプレゼンテーションされました。コロナ禍の中、7施設の発表者と応援団、すべてがホールに揃うのは4年ぶりです。大会の模様はWEB会議システムでグループ全施設にライブ配信されました。利用者様も楽しみに画面の前で応援してくださっているとのこと、発表にも力が入りました。

プレゼンテーション内容

健祥会デイサービスセンター徳島

自分らしく生きる!
~マズローの欲求5段階説を用いて~


利用者様の尊厳を支え、意欲と笑顔を取り戻していただくために、人の欲求の仕組みを知ろうと、「マズローの欲求5段階説」という新しい視点に立った。何がしたいかを問う前に、利用者様の欠乏欲求を理解することから取り組み、それに合わせてアセスメントを実施。感情などの主観的な心の動きを重視したアプローチを諦めず続ける中で利用者様の状態は改善に向かった。職員間でも認め合うことで、アイデアを行動に移す力も生まれてきた。地域とのつながりにも波及し、利用者様の生活の充実が図れた。

特別養護老人ホーム 健祥会家康

どうする家康
~変革の時は今、私が創る介護力~


コロナ禍で地域やご家族とのつながりが薄れがちな中、利用者様の日々の生活を豊かにするには何を為すべきかを話し合い、まず施設の課題を率直にすべて洗い出した。これらをカテゴリーに分け、「職環境の改善」「ケアの充実」「パートナー制の強化」の3つの柱を目標に定めて取り組み、コロナというピンチをチャンスに転換。利用者様と職員の心を動かすケアへの確かな手応えを得ることができた。

グループホーム 笑顔毎日

「アイデア」×「実行力」 原点 つなぐ その先へ
~チャレンジの原動力は根っこから~


利用者様、ケアワーカーの双方からみる、無意識な「選び」「断り」「諦め」が業務の属人化に起因することに気づき、それを解消するため、プロセスの可視化を図るとともに、職員アンケートを実施。見えてきた課題について全体会議でとことん話し合い、施設をあげて改善に向けて取り組んだ。ユニットエクスチェンジも実践。「接遇マナーの強化」「ユニットケアの弱点の克服」「地域コネクションづくり」という課題において成果をあげることができた。継続し、更新し、挑戦を続ける気持ちも共有できた。

特別養護老人ホーム エリザベート成城

お役立てください 私たちの心を

コロナ禍で希薄となった地域との関わりを取り戻すため、子ども食堂のお手伝い、地域交流ホールの貸し出しや中学生の職場体験再開、介護教室をはじめ、地域交流ホールでの入居者様向けのミニデイサービスなどに取り組んだ。また、入居施設としての機能だけでなく、在宅生活の継続を支援するという視点から、言葉を発せない利用者様の表情から希望を読み取り挑戦した外泊。「24時間暮らしの支援シート」を活用し、多職種が連携して実現できたことで、在宅復帰支援への大きな手応えと経験になった。

介護老人保健施設 センターヴィレッジ

この町の福祉の中心施設として安心を発信する
~施設理念に基づいて~


「町の福祉をリードする中心施設として、大切な人をお守りする!」この想いを共有し、居宅と施設がケアプランを通じて「連携」するとともに「専門性」のアップデートを図った。利用者様の想いに応えた「選ばない・断らない・諦めない」実践例。施設内zoomで連携を確認し励まし合いながら取り組んだクラスター対応は「諦めない」取り組みそのもの。よい看取りのために実施した心づもりと名付けたアンケート、ご家族へのグリーフレターなど、利用者様の人生とご家族の心に寄り添った支援に繋がった。

小規模多機能ホーム 緑風会登子・デイセンター 緑風会尊氏

「選んでくれてありがとう」

パートナー制を生かし、利用者様の望みをより深く理解しようと努めることで、豊かなコミュニケーションが生まれ、利用者様、ご家族と「心と心」を通い合わせることができた。手作りのサプライズ誕生祝い、コロナ禍でも大切にしたお出かけ行事など、小規模多機能ホームならではのサービスで利用者様を手厚く支援。何度も躓き、悩み、いつしか「諦めない」が職員みんなの合言葉になっていった。危機を乗り越え笑顔を取り戻せたA様の事例などを経て行き着いた「選んでくれてありがとう」の言葉は、利用者様へ、そして仲間への感謝の言葉だ。

介護老人福祉施設 ふるさと那賀

つなげ! 心のリレー
~CHALLENGE TO THE FUTURE~


「断らない、HUGの活用、ADL、専門性・連携」という4つの重点目標を定めた。他施設が断る重度の方でも受けるという決断。利用者様を選ぶのではなく、選ばれる施設へ。短期入所3ヶ月で褥瘡が完治し、新たな受け入れ相談につながった事例。平均年齢60歳の職員の腰痛予防と利用者様の安心安全のためのHUGの活用。利用者様の想いに応えたADL維持等加算算定事例。高齢者虐待の相談案件を受け入れ、家族の絆をつないで、措置から契約へつながった事例などを紹介。取り組みを通じて人と人、人とロボット、施設と地域をつなぐことの大切さを実感できた。


7施設とも素晴らしい内容で、プレゼンテーションのレベルも高く、とても難しい審査でしたが、21人の審査員が熟考の末、各3票を投じ、ふるさと那賀が昨年に続き、優勝の栄冠に輝きました。


発表内容をまとめたポスターも同時に審査され、特別養護老人ホーム健祥会エンリケが優勝。ポスターの質も年々高まっています。

結果は以下の通りです。

発表の部 ポスターの部
優勝 介護老人福祉施設ふるさと那賀 特別養護老人ホーム健祥会エンリケ
2位 介護老人保健施設センターヴィレッジ 老人保健施設健祥会シェーンブルン
3位 特別養護老人ホームエリザベート成城 特別養護老人ホーム健祥会ピーター・ケアハウス鳩の家・養護老人ホーム健祥会エジンバラ

審査・講評ののち、表彰式が行われ、入賞施設に表彰状と副賞の目録パネルが贈られました。

講評は専門学校健祥会学園校長 武田英二、健祥会グループ常務理事 中村晃子から。社会福祉法人緑風会監事佐藤茂夫、社会福祉法人緑風会・青嵐会評議員西山惠子からもいただきました。最後に健祥会グループ理事長 中村太一の総評で決勝大会の幕を閉じました。

審査員講評

専門学校健祥会学園校長 武田英二


テーマに沿ってサービスに一生懸命取り組み、成果を上げた施設が高い評価を得ていますが、コロナ禍により、頑張ろうという意欲だけでは届かないとも感じたので、私は、職環境の改善をどう図っているかという視点で次の3つの施設を選びました。

健祥会デイサービスセンター徳島
マズローの欲求5段階説という確立された評価基準を介護に取り入れたことはとてもよい。介護される側だけでなく介護する側もその基準で自主性などを高めていけば、さらによりよい介護ができるのではないかと感じた。

グループホーム笑顔毎日
業務改善のために、ユニットエクスチェンジという方法を試み、コロナ禍の中でより効率のよい介護のための工夫が実践できた。

介護老人保健施設センターヴィレッジ
業務内容の見える化を図るなど、介護側の課題解決をめざして多彩な取り組みを実践。たくさんのデータを活用し盛り沢山な内容だった。介護する側のレベルアップを図ることによって質を上げていった取り組みだった。

健祥会グループ常務理事 中村晃子


今年のテーマは具現化が難しいとの声も聞かれましたが、発表を聞いて、実は日常の中に詰まっているんだと感じました。専門性を高め、多方面との連携を深めることが「選ばない、断らない、諦めない」の実現につながっていきます。しっかり施設力を高め、皆の力を結集し、選ばないことで選ばれる施設になってください。エネルギーを感じる大変素晴らしい発表会でした。決勝進出が叶わなかった施設にもよい内容のものがいくつもありました。皆さんのこのエネルギーを来年へとつないでいってください。

介護老人福祉施設ふるさと那賀
安定の発表で頼もしく嬉しく思う。まず新規利用者様の増加というデータに衝撃を受け、具体的な実践をリアルに見ることができた。ICT化・介護ロボット導入が進んだふるさと那賀は今やグループのリーディング施設だが、全方面で施設力がアップしていると感じる。ぶれない信念が堂々の連覇に導いてくれた。

介護老人保健施設センターヴィレッジ
見せ方が非常に上手だった。老健の魅力を存分にアピールできている。「コロナと連携」「家族が断らないようにする支援」という言葉の中に、プロの本質が見受けられた。「心づもり」をセンターヴィレッジのこころとして頑張ってほしい。

特別養護老人ホームエリザベート成城
施設そのものが地域のコミュニケーションの場になっており、施設の中の街づくりという新しい発想から生まれたミニデイという取り組みも素晴らしい。特養における在宅復帰へのアプローチ事例は他施設も参考にしてほしい。

健祥会デイサービスセンター徳島
マズローの欲求5段階説からのアプローチという観点は非常に面白い。所属と愛の欲求は温かく迎え入れてくれる居場所があることで満たされるのだから、その次の承認欲求にこそ大きな鍵があると思う。利用者様それぞれの欲求の満たされ度を本能レベルで考えるのは、面白い切り口だ。

特別養護老人ホーム健祥会家康
施設長のリーダーシップと職員の主体性を感じた。個別ニーズへの取り組みから学び、いのちを守ることと生活を守ることはイコールではないとの気付きをあたらめて得ることができた。家康ならではの介護革命を起こしていってほしい。

グループホーム笑顔毎日
ユニットならではの弱点に着眼したことがよかった。フットワーク軽くユニットエクスチェンジを実行したのもよい。タスクシェアとICTは親和性があるので、属人化を解消しタスクシェアをすすめるにあたって、ICTの有効活用のさらなる可能性を開いてくれるのではないかと感じた。

小規模多機能ホーム緑風会登子・デイセンター緑風会尊氏
コロナ禍においても非常に精力的に外出していることに驚いた。小規模な施設ならではの柔軟なサービスの好事例として、グループの中でも参考になるのではないか。

審査委員長総評
健祥会グループ理事長 中村太一


皆さん、お疲れ様でした。そして入賞施設に心からお祝いを申し上げます。
新型コロナウイルスが猛威を振るう中、令和2年から3年間の「年間取組発表会決勝大会」は参加制限のもとで行いました。本年、久しぶりにトゥモローホールに集まって開催できて本当によかったと思います。
施設で配信を見ている職員の皆さん、この1年間コロナ感染対策をとりつつ取り組みを継続し、サービスの質の向上に取り組んでいただいてきたことにあたらめて感謝申し上げます。ご苦労様でした。
令和2年、健祥会グループの大切な理念として「原点回帰」とともに、断らない介護の実践を掲げました。そして本年度のテーマは「選ばない、断らない、諦めない。〜『専門性』と『連携』で、私たちが地域の福祉をリードする。〜」でした。
昨今さまざまな分野の課題が絡み合い、複合的な支援が必要な状況が増えています。社会的孤立や制度の狭間で生活課題への支援の必要性も高まっています。
多様化する福祉ニーズに応えるために、さらに専門性を磨き、サービスの質の向上を図っていかねばなりません。この発表会を通して他施設の取り組みを参考にするとともに、チームワークを高め、一丸となって取り組んでください。

コロナについては、マスクの着用が個人の判断に委ねられ、5月8日には感染症法上の位置付けが第5類になりますが、介護施設の現場では引き続きこれまで同様に感染防止対策を講じることになります。その上で、3年間の経験や想いのもと、柔軟な発想と創意工夫で、利用者様のために何ができるか今一度原点に立ち還って、令和5年度もよろしくお願いいたします。

さあ、来年の大会へのスタートです!


令和5年度のテーマは、「コロナ禍の今だからできること~コロナに負けない生活 潤いと楽しみの提供と求められる生産性の向上~」です。全施設・全職員が1年頑張って、さらに素晴らしい成果を報告してくれることを期待したいと思います。

※「年間取組発表会」は利用者様によりよい介護をお届けするためだけでなく、現場の士気と意欲を高め、介護の楽しさ、やりがい、誇りを職員みんなで共有するために、そして、施設間での学び合いのために、毎年、施設サービス力向上委員会、在宅サービス力向上委員会、食・栄養向上委員会が主催しています。

[記事公開日]2023/03/22(水)
[最終更新日]2023/03/23(木)

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