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健祥会グループ創立40周年記念大会
「令和2年度 年間取組発表会」決勝大会開催


すべての高齢者施設がサービス力向上のための取り組みを実践し、その成果を報告し合う「年間取組発表会」の決勝大会が3月9日、開催されました。
昨年はコロナ禍の中、すべて動画配信の形となりましたが、本年度はグループ創立40周年記念大会として、健祥会トゥモローホールでの発表とweb会議システムを併用しての開催となりました。


「年間取組発表会」は利用者様によりよい介護をお届けするために、また、現場の士気と意欲を高め、介護の楽しさ、やりがい、誇りを職員みんなで共有するために、そして、施設間での学び合いのために、本部経営戦略推進部と施設サービス力向上委員会、在宅サービス力向上委員会、食・栄養向上委員会が主催しています。
令和2年度の統一テーマは、「サービスの質の向上とメンバーシップ〜原点に立ち返り、今、私たちがやるべきこと〜」。地域ごとに複数の施設で構成するステージ単位で、あらかじめ行われた5つの予選を経て決勝進出を果たしたのは、特別養護老人ホーム健祥会ライデン、介護老人保健施設健祥会ウェル、介護老人保健施設センターヴィレッジ、特別養護老人ホームふるさと那賀、特別養護老人ホームエリザベート成城、吉野川リハビリセンター、小規模多機能ホーム健祥会テルダム、特別養護老人ホーム緑風会イサベルの8施設です。5度目の決勝進出にして初優勝を期すふるさと那賀、2度目の優勝を狙う緑風会イサベルら強豪と並んで、エリザベート成城、吉野川リハビリセンター、健祥会テルダムは初の決勝進出です。

8施設のうち、東京、関西を除く6施設の発表者のみが会場入り。本来なら階段席いっぱいの職員の前で披露されるところですが、今年は、理事長中村太一、本部長中村晃子、副本部長関久代、専門学校健祥会学園校長武田英二をはじめ、グループ本部の管理職、施設長の中から選任されるステージリーダーら、限られた聴衆の前での発表です。そして全施設へはwebでライブ配信を。いつも会場を盛り上げる仲間からの応援も、各施設からの配信で行われました。

8施設が渾身のプレゼンテーション

決勝大会を見守る出場各施設からの応援メッセージも交えながら、1年間頑張ってきた8施設の取り組みと成果がプレゼンテーションされました。


1.(web配信)特別養護老人ホーム緑風会イサベル
生涯安心を叶えるために~私たちの原点~

利用者様のニーズに対して、現状と目標、各職種がやるべきことを明確にしたメンバーシップシートを作成。モーニングケアの見直しやユマニチュードの実践を行いながら、課題の見える化を図り、目標をめざした。

2. (web配信)特別養護老人ホームエリザベート成城
「抱えない」介護のはじまり

移乗介護の問題点を利用者様と職員、双方のサイドから分析。ノーリフティングケアの必要性の理解から始まり、技術の習得、課題の克服を経て、全職種でノーリフティングケアを実践できるに至った。

3.特別養護老人ホーム健祥会ライデン
今、私たちができること

コロナ禍の中で、丁寧に一人ひとりの利用者様に向き合い、笑顔のための+αのケアをめざした。ターミナル期の方の一時帰宅の実現、交通安全ボランティアで地域とのつながりの再構築などを実現。一人ひとりのケアを見直すことでおむつ減量にもつながった。

4.小規模多機能ホーム健祥会テルダム
本人の希望を叶える総合マネジメント

利用者様のしたいこと、望むことを把握。状況に合わせて、ケアハウスからの通いや訪問を調整しながら、食事摂取と水分補給、運動面からのアプローチを続け、職種連携によるキメの細かなケアで趣味の復活や一時帰宅を実現。

5.介護老人保健施設センターヴィレッジ
『現場力こそ健祥会の生命』~データ分析から科学的介護を~

下剤、水分、トイレ介助、運動活動、食栄養のチームを構成し、施設がone teamとなってオムツゼロをめざす。各チームの取り組みの成果を数値化することで意欲の向上が促され、科学的できめ細やかなケアへ。在宅復帰への足がかりとしての手応えを得る。

6.吉野川リハビリセンター
JUST DO IT!!~やってみよう。楽しもう。~

入浴、認知機能改善、外出支援の3つのテーマを定め、職種を超えたチームを編成。マシュマロチャレンジによりチームとしてのまとまりのきっかけを得てスタート。チームごとに明確な目標を定め、ミーティングを重ね、実現に向けて取り組んだ。

7.介護老人保健施設健祥会ウェル
『老人保健施設の役割を果たす』~多職種連携による生活リハビリ~

在宅強化型への移行に向けて、入所者様全員に週3回の個別リハビリを行うとともに、生活リハビリ推進委員会を組織。リハビリスタッフが課題抽出や目標設定を行い、その指導のもと、各フロアで介護職員や看護職員が生活リハビリを実践していった。

8.特別養護老人ホームふるさと那賀
もう一度、あの笑顔を家族に 合言葉は≪5増1減≫

昨年度の眠りスキャンによる睡眠分析・検証から、本年度は睡眠を究めるという目標を設定。日中の活動と睡眠の関係を探り、睡眠時間・活動量・離床時間・アルブミン値・健康への意識・日常生活自立度の6つの指標に、5増1減をめざして取り組んだ。

嬉しいサプライズ!
エールをしっかりキャッチして

4施設の発表が終わり、休憩を挟んで後半開始の冒頭、プロ野球2020年日本シリーズで日本一を決めた福岡ソフトバンクホークスの森唯斗投手が、突然スクリーンに登場!エッセンシャルワーカーとして日々奮闘する健祥会グループと本大会に激励メッセージを贈ってくれました。森投手は徳島県海陽町出身です。


森投手から投げられたサインボールを理事長がしっかりキャッチし、会場には嬉しいどよめきが広がりました。記念大会のいい思い出と、次回への励みになりました。森投手に心から感謝申し上げ、今シーズンの活躍を祈りたいと思います。ありがとうございました。怪我に気をつけて頑張ってください。

甲乙つけ難い内容、
固唾を呑んで見守った審査

サプライズを挟んで8施設すべてが発表を終えました。いずれもデータ収集や分析の力、独自の視点が光る内容で、プレゼンテーションの上達にも目を見張るものがありました。どれも聞き応えのある発表でしたから、審査も難しかったことでしょうが、19人の審査員が熟慮の末、各3票を投じ、以下の通りの結果となりました。発表内容をまとめたポスターも同時に審査されました。

審査結果

<プレゼンテーション発表の部>


↑優勝:特別養護老人ホームエリザベート成城/17票


↑準優勝:介護老人保健施設センターヴィレッジ/16票


↑3位:特別養護老人ホームふるさと那賀/8票

<ポスター発表の部>
優勝:グループホーム濃姫/10票
準優勝:特別養護老人ホームふるさと那賀/9票
3位:5施設が同点3票
介護老人保健施設健祥会バーデン/ケアハウス健祥会リブレ
特別養護老人ホーム健祥会家康
特別養護老人ホーム健祥会ライデン
ケアハウス健祥会リバティ
特別養護老人ホーム緑風会イサベル


↑優勝:グループホーム濃姫のポスター作品

審査ののち、受賞チームに副賞の目録パネルが贈られました。表彰式は、後日経営会議などの機会を利用して行われ、理事長から施設長に表彰状が手渡される予定です。

モチベーションを継続し、
次年度に向かって進化と深化を!

講評では、「素晴らしい発表大会でした。特に、優勝のエリザベートの取り組みはそのメリットが非常にわかりやすく、プレゼンにも聴く人を巻き込む力がありました。センターヴィレッジは、一つの目標に向かって5つのチームが独自の手法で指標の点数化を図り、分析していった点、ふるさと那賀には昨年の取り組みからの進化が見られ、またメンバーシップの中にご家族も巻き込んだ点も評価したいと思います。イサベルのメンバーシップシートの作成、ライデンの地域の中へ出ていく取り組み、ウェルの老健ならではの多角的なアプローチ、テルダムの小規模だからできるきめ細かな取り組み、また、チーム作りで職員の啓蒙からスタートし、見事に利用者様の潜在能力を引き出せた吉野川リハビリセンター。コロナ禍の中、三密を防ぎながらの取り組みは苦労も多かったと思いますが、どれも素晴らしい内容でした。来年こそ、ここにみんなが集まって、感動を共有できることを願っています。ご苦労様でした」と本部長。

校長は、「熱の入ったレベルの高い取り組み発表でした。特に、準優勝のセンターヴィレッジと3位のふるさと那賀は、私と学園の研究テーマでもある水、つまり、科学的介護のための大切な視点が共通ポイントであり興味深かったです。ふるさと那賀は、昨年からの眠りスキャンの活用を継続しており、進化と深化が見られる内容でした。またセンターヴィレッジのデータ分析と、客観性を持たせるための点数化はとても良い工夫でした。水の視点は健祥会から広く発信できるエビデンスになり得ます。すべての職員がより良い介護を実践したいという情熱を持ち、そして結果を出すために意気揚々と頑張っている、そのことがより良い職場づくりにつながり、さらに取り組みがすすむ、そんな好循環が生まれていることを実感させられました」と評しました。

最後に審査委員長である理事長中村太一から、「皆さん、ありがとうございます。私は非常に安堵しました。コロナ禍とともに過ごした昨年1年、ご家族の目が施設に届かないのをいいことに、気の緩みは出ていないか、いつの間にかサービスが低下していないかと、とても心配な思いでいましたが、今日の発表を聞いてその不安が払拭されました。素晴らしい取り組みばかりで、本当に優劣つけ難かったです。命の大切さを思い、エッセンシャルワーカーとしての使命を深く胸に刻んだゆえの質の高さだったのではないでしょうか。どうか今のモチベーションを一過性のものとせず、きっかけとしてさらに高め広げていってください。他施設の取り組みや発想を知り、学び、来年度に向かって活かしてください。苦労して得た成果をデータ化し、価値の共有を図り、グループの知恵として積み上げていってください。そして大事なのが継続です。施設の真の力になるよう、発展継続させていってください」と総評の言葉がありました。

施設の皆様、業務の合間を縫っての予選会と決勝大会出場、大変お疲れ様でした。受賞した施設の皆様、おめでとうございました。


令和3年度のテーマは「私たちの働き方☆再発見」です。「きつい」「汚い」「危険」といった3Kから、「感謝」「感動」「感激」の新3Kへ。利用者様の笑顔の日常を支えるエッセンシャルワーカーとして、私たちらしい働き方を考え、実践していきましょう!

[記事公開日]2021/03/17(水)
[最終更新日]2021/03/18(木)

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