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音楽が心をつなぐ、やわらかくする
マイケル・ローバッカー博士、健祥会モルダウで音楽療法


心身の障がいの回復、行動の変容などに向け、音楽を計画的に活用する音楽療法は、発達障がいや精神障がい、緩和ケア、病気や事故後のリハビリテーションなど、介護や医療の現場で導入がすすんでいます。回想による大脳機能の賦活、リズム知覚刺激による心身の活性化、情緒の安定化、集中力の回復、生きがいづくりなど、多くの効果が得られます。QOLの向上も図れることから、近年では障がいの有無を問わず、子どもから高齢者まであらゆる年代の方を対象に広がりを見せています。
健祥会グループにおいてもいくつかの高齢者施設で実践しており、中でも特別養護老人ホーム健祥会モルダウは音楽療法の先駆者。十数年前から徳島文理大学音楽学部と連携し、学生の実習施設として、月に2回、療法の時間を設け、5名の利用者様に1年を通して参加いただいています。
6月13日には、学生たちとともに音楽療法の世界的権威であるマイケル・ローバッカー博士がお越しくださいました。博士は同大学の名誉教授であり、音楽療法先進国アメリカで音楽療法協会を率いる第一人者。年2回来日し、学生たちに集中講義を行っているもので、モルダウへも2002年、2006年、2015年、2016年、そして昨年に続いて6度目の訪問です。

この日、療法を受けたのはモルダウ利用者様2名、デイセンターザトぺック利用者様3名、計5名の皆様。こんにちはの歌に始まり、季節にふさわしいあめふりの歌、津軽海峡冬景色など、馴染みの歌を一緒に歌ったり、手振りや簡単な楽器で参加しました。学生さんたちが一人ひとりに丁寧に向き合い、語りかけることで、利用者様からはさまざまな言葉が飛び出し、笑顔が生まれ、その笑顔が伝播します。自然と手拍子が湧き上がり、音楽を通してみんなの心がひとつになるようです。

博士夫妻の楽しい猫の歌ではさらに場がグッと和みます。夫妻は、利用者様にも英語で語りかけるのですが、なぜか伝わっているのも不思議。心を開き、心を繋ぐ、音楽の力ですね。どなたも楽しんでくださったようで、とてもよい時間となりました。

1年続けるとポジティブな感情表現が増えるとのことで、この時間が楽しいだけでなく、確かな成果が確認されています。この取り組みをずっと大切に続け、できればもっとグループ内に広げていきたいと思います。
マイケル・ローバッカー博士夫妻はじめ、指導教授、そして学生の皆様ありがとうございました。

[記事公開日]2024/06/13(木)
[最終更新日]2024/06/18(火)

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