「明日」に贈るすてきなメッセージ
私のトゥモログコンテスト
「WOMAN」の枠も超え、活動の幅がどんどん広がる「KIRARI WOMAN ネットワーク」。発足8年目となる2023年の新企画のひとつが「私のトゥモログコンテスト」です。
あなたの「明日」がいい日でありますように、みんなの「明日」が輝いていますように・・・
そんな願いを込めて、「あの人に伝えたいラブレター」「私の道しるべ〜明日を想って〜」ふたつのテーマでメッセージを募集。2023年11月15日から2024年1月10日の間に利用者様や職員、学生、園児から、86点の作品が寄せられました。入賞作8点を紹介します。
「あの人に伝えたいラブレター」部門
「とってもナイスやけん」賞
こんなけ元気になったんは、
みなのおかげ。
おおきによ。
病気になったけん、ジャンボに来れて、
病気になったけん、みなと出会(でお)て、
病気になったけん、ようけ助けてもろて、
病気になったけん、ありがとうが言える。
まだまだこれからもここ(ジャンボ)にきて、リハビリして、手芸して、
喋って、笑(わろ)て、怒って、泣いて、元気に元気に頑張るけん助けてくれよ。
みな、ほんまにおおきによ。
「可愛い!ファンタジー❤️」賞
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綺麗な字で、丁寧に家族への想いを綴ったラブレター。過去と今と未来が上手に語られた文章は、まるで文字のファンタジー。
絵本のストーリーになりそうですね。
「心で伝わる、でも言葉はもっと嬉しいね」賞
あなたが小学4年生の1月に離婚し私とあなたの2人での生活が始まりました。掃除や洗濯、学校行事など様々なことで試行錯誤の毎日が始まりましたが、特に申し訳なく思うのが、中学になり始まったお弁当の事です。冷凍食品に頼ることしかできず、また、盛り付けのセンスのない私は色合いも良くないお弁当しか作れなかったため、友達と一緒に食べていてからかわれてないだろうか、恥ずかしくないだろうか、いじめられてないだろうかなどお弁当を作りながらいつも不安を感じていました。そういった私の気持ちを感じ取ってか、たまにあなたは、「お弁当ありがとう、おいしかったよ」と話してくれたことに少し気持ちが軽くなりました。そんなあなたも高校3年生になり、最後のお弁当の日、「6年間お弁当ありがと!」と言ってくれたことにジーンときました。4月から大学生になり、新たな生活が始まりますが、気負わずあなたらしく楽しんでください。応援しています!
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大変だった娘のお弁当づくりの思い出。しみじみと淡々と綴られるその中に、互いを思いやる父娘の気持ちがあふれていて胸に沁みます。言葉にしなくともちゃんと伝わっていた想い、改めて言葉にするのもいいものです。
「人生へのあったかエール」賞
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国家試験の勉強に頑張っていた過去の自分へのラブレターに、支えてくれた家族への素直な感謝の気持ちと子らへのエールも込めて。素直な想いと、丁寧な手描き文字にも心打たれます。
「私の道しるべ〜明日を想って〜」部門
「天国まで届け!」賞
父親がプロバンスにお世話になって23年になります。
98才の時、私も入居してきました。まだ元気な時、カラオケが大好きで私もカラオケ部に入り楽しんでいました。二人で身近に住んでみて本当の父親を分かっていませんでした。身体障害者で右手が不自由でも一生懸命生きてきた。負けず嫌いでお洒落してアイロンもかけていました。でも段々と年も取り、押し車を押す様になり自由にならず怒りっぽくなり時々喧嘩もするようになり、私も他の人には優しく言えるのに、父親となると厳しく言ってしまう私は後悔の毎日でした。今でも覚えています。夜にベッドの横で寝ている私に、「風邪を引くから部屋に帰って寝て」と気を使っていました。そして私は、訪問介護を選択して父親を見送りました。最後に、施設長様、職員の皆様、入居者の皆様に盛大なお見送りをして戴き天国に行きました。105歳でした。私は今思うには父親を尊敬しています。来世でも父親の娘でありたい。今度こそもっと親孝行したいと思います。そしてありがとう。
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ともに入居していた父の105歳での大往生を見送った安堵。施設への感謝。そして来世も父の娘でいたいと、ほろりとさせる言葉、尊敬する父の背中を道しるべにどうぞ末長くお元気で、佳き人生の歩みを!
「寄り添うって素晴らしい」賞
あれは5年前のこと。良く晴れたその日は、次男の小学校の卒業式。
「卒業生入場」の声に合わせ、綺麗に二列整列で出てくる卒業生の列が不意に途切れ、しばらくしてスローモーションのようにひどくゆっくりな動作で次男が入場してきました。
「何やってんのもう!!」と思った次の瞬間、私の目に映ったのは、次男とペアになった男の子。障害のある子で普段は車椅子だったのですが、卒業式ということで装具を両足につけ、歩行器で必死に歩いていました。その隣で、その子にスピードを合わせ、堂々と、息子は行進していました。思春期、みんなと違う行動は恥ずかしい年頃だろうに、同じ歩幅で歩く為に、時々チラッと隣の子に目線だけを遣りながら。その勇姿(又は優姿)にとても感動し、卒業式の初めから大号泣。我が息子ながら『人に寄り添う』という事の本質を見せてもらった気がし、毎日の介護現場での自分を省みて、常に心に留め、忘れずにいようと思いました。
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小学校の卒業式。普段は車椅子の級友が装具をつけて歩行器で歩くのをエスコートする次男。ゆっくりと堂々と行進する勇姿に、「寄り添うこと」の本質を見た想い。あわせて、介護現場での自分を顧みて、母はついつい号泣。読む人もじ〜〜ん。
「感謝の姿にありがとう」賞
私の祖母は「ありがとうございます。ありがとうございます。」とお日さまに手を合わせていた。
子どもの私はそれが何を意味しているのか分からなかった。今になって思うとあれは生きている事への感謝や自分も家族も無事で今日一日が始まる事への喜びではなかったかと思える。
私は今年還暦であの頃の祖母の年齢になった。
朝を迎えられたことがありがたいと思えるようになった。戦争で夫を亡くし一人で5人の子どもを育てた祖母、明治生まれの口うるさい祖母だったけれどいのちに感謝する姿を私に残してくれたことに「ありがとう」と伝えたい。
私は現在孫が一人いる。こんな話を子どもたちにした事はないけれど偶然にも子どもたちはわが子に「あさひ」と名付けた。祖母が「ありがとう」と手を合わせていたお日さまを連想する。元気でよく遊び1日1日無事で成長して欲しいと願う祖母の姿と同じ自分がいる。
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毎朝、お日様に手を合わせていた祖母の歳になって、あれは生きていることへの感謝だったんだと知る。今、「あさひ」と名付けた孫の無事の成長を願う私が、祖母の姿に重なる。おばあちゃん、感謝の姿を見せてくれてありがとう。
「人生の祭ばやし、希望と喜びいっぱい」賞
祭りばやしが鳴り響いた。
それは予定日が過ぎても始まらなかった。今か今かと待っていると突如、序章が始まった。ドンドンドンドンと激しさを増しながら始まり、力いっぱい呼びかけると祭りばやしが鳴り響く。
「オギャー、オギャー」。祭りが始まった。力強い音色が大きく胸に刻まれる。
周りを自然と笑顔に包む音色はしばらく続いた。ホッとした。感謝した。
腕の中で元気に広がる音色に涙した。
始まった祭りは毎日夜通し続く。楽しい日々は一日を早くする。明日のこと、明後日のこと、1カ月後のこと、1年後のこと、未来を考える時間が増えた。
参加した祭りは準備が大変で始まってからも忙しい。でも、賑やかで楽しく、小さな笑顔も大きな夢も希望に満ちた毎日も成長の喜びも大切な時間の温もりも感じられ幸せに包まれている。感謝した。
今日も祭りばやしが鳴り響く。「オギャー、オギャー」。
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赤ん坊の産声、そして泣き声を賑やかな祭ばやしに例えて、産まれくる命、そこに生きている命への感謝を表現。
その命のおかげで、忙しい毎日も喜びと温もりに満ちている。命への愛おしみが希望となって未来を照らすかのよう。
[記事公開日]2024/02/21(水)
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病気を周りの人々への感謝にかえた心温まるラブレター。前向きで明るいお人柄が滲み出ています。繰り返される「けん」の韻が、思いをよく伝えていて、リズムよく、響いてきます。