お問い合わせ

この記事は公開から1年以上経過しています

EPA人材を激励に!在大阪インドネシア共和国総領事 健祥会へ

IMG_6285s

在大阪インドネシア共和国総領事・ウィスヌ・エディ・プラティグニョ氏が、インドネシア介護福祉士および候補者を激励に健祥会グループを訪れました。

3月11日、総領事は2人の領事と2人のスタッフを伴って、徳島健祥会福祉専門学校学生会館へ。グループ内の1期生から7期生まで、67名のインドネシア人のうち、勤務をやりくりして集まった45名が一行を拍手で迎えました。

交流会冒頭、健祥会本部長中村晃子が、総領事に敬意を表し、英語で歓迎の挨拶を述べました。


健祥会本部長中村晃子挨拶(和訳)

本部長中村晃子「ウィスヌ・エディ・プラティグニョ総領事、ようこそ健祥会へ。
お忙しい中、はるばる徳島までおいでくださったことに感謝します。
7年前、7人のインドネシアの仲間が健祥会に来てくれて以来、貴国と健祥会との嬉しいご縁がつづいています。今では、67名のインドネシア人が、元気に現場で頑張っています。このうち21人が日本人でも合格率60%程度の介護福祉士国家試験に合格し、健祥会の大切な戦力となってくれています。
インドネシアと日本を結ぶこの制度は、今は亡き健祥会グループ創始者中村博彦が生みの親であると言っても過言ではありません。創始者は、人口減少・少子高齢の日本の介護現場がいずれ人材不足になることを心配し、早くから外国人介護職の受け入れを政府に提案してきました。そして粘り強く政府に働きかけた結果、東南アジア諸国とのEPAの中に『人の移動』として盛り込まれたものです。
創始者は、EPA人材に、日本の介護とやがて高齢化するアジアの介護を担うグローバル人材になってほしいとの強い思いをもっていました。そして、自らが提案した制度が、公平公正な制度となり、真の人材開国が図られるよう、必死に尽力してきました。そのかいあって、国家試験の方法や、配置基準の人員として介護報酬にカウントされるようになったことなど、制度はずいぶん前進してきています。
親元を離れ、志を抱いて日本に来てくれた彼らを、創始者は子どものように思い、日本のお父さんのつもりで励まし支えてきました。意欲をもって上を目指す人には、勉強の場もチャンスも用意しました。創始者のこの思いに応え、今年度、アリフ・バスミンさんは、合格率15〜20%の難関であるケアマネジャーの資格試験に合格しました。アリフさんの後に続く人がどんどん出てきて、健祥会をもり立て、また将来は日本とインドネシアの架け橋となってくれることを願っています。
総領事の訪問は、彼らをとても勇気づけてくれることでしょう。短い時間ですが、彼らとあたたかな交流の時間を過ごし、彼らの頑張りをねぎらい、励ましてあげてください。そして今後も、貴国と健祥会、日本がよきパートナーとして歩んでいけますよう、こころより願っています。本日のご訪問、本当にありがとうございました」


続いて、インドネシア人を代表しての挨拶は2期生のアズカ・ファド・アッシャリからインドネシア語で。アズカは、介護福祉士国家資格を取得し、老人保健施設健祥会ウェルで勤務しています。

アズカ・ファド・アッシャリ挨拶(要約)

「健祥会グループは、日本でいちばんたくさんEPAのインドネシア人を迎えている法人であり、現在67名が各施設で頑張っています。多くの仲間がいることは大変心強く、皆がお互いに助け合っています。かつて1期生の先輩に助けてもらったように、後輩ができた今は、私が頼られる存在となりました。

アズカ・ファド・アッシャリ

健祥会には大切にしなければならない基本があります。それは「礼儀」と「感謝」です。この基本をしっかりと身に付け、介護の先端技術と知識を学び、健祥会と日本の介護のために、そして将来介護が必要となるであろう母国インドネシアのために、貢献できる人間になりたいと思います。
まず目標は介護福祉士国家試験に合格すること。そして次にはさらレベルアップし、アリフ先輩のようにケアマネ試験の合格をめざします。健祥会では皆さんがその後押しをしてくれます。皆さんは大変優しく親切です。だから私たちはいつも皆さんに感謝しながら、その期待に応え、健祥会になくてはならない存在となれるよう、仕事に勉強に、一生懸命頑張っています。
今日は、私たちのためにわざわざお越し下さりありがとうございました。心から感謝します」


ウィスヌ・エディ・プラティグニョ総領事挨拶(要約)

「中村晃子本部長をはじめ皆さんの歓迎に感謝します。
私が徳島に来た目的は二つ。一つは、明日知事にお会いして徳島との経済協力を深めるため。もう一つは皆さん方に会い、励ますためです。私は着任してまだ4か月ですが、EPAの皆さんとお目にかかるのは、研修中に1度、そして今日が2度目の機会となります。

ウィスヌ・エディ・プラティグニョ氏

私たちは母国の代表として、日本社会のルールを守って生活し、日本社会に快く受け入れてもらう努力をしなければなりません。今、皆さんの立派な姿をみて感激しています。その生き生きとした様子からは、皆さんがしっかり健祥会に受け入れてもらっていることがよくわかります。
どうか、国家資格取得という目標に向かって3年間努力し、日本の介護に貢献してください。そしていつかインドネシアに帰る日があれば、母国のためにも貢献してください。
パートナーも見つけ家族を持った人もいるようですね。皆さんは大きな家族のようなもの、今に感謝しながら頑張ってください。そして今日は、皆さんの意見や要望をたくさん聞かせてください」

 


このあと、コーヒーとケーキをいただきながら、総領事や領事館スタッフとの懇談の時間が持たれました。アリフ・バスミンをはじめインドネシア人たちが施設で働く様子や国家試験に向けた勉強会の様子などが紹介された「おはよう日本(NHK総合)」のDVDがスクリーンに映し出されると、拍手や歓声があがり、終始和やかに、お国の言葉での会話と笑顔の弾むひと時となりました。

領事館からは、在留届けやパスポートの更新についての注意など、実務的なアドバイスをいただくとともに、国家試験の在り方など制度の問題点について、領事館へどんどん発信してくれるようにとの要望もいただきました。
EPAの介護人材交流が両国にとって実り多いものとなりますよう、また制度が現場視点に立って改善されてゆきますよう、今後さらに連携を深めてまいりたいと思います。

総領事はじめ、領事館の皆様、ありがとうございました。


■徳島新聞2015/03/12掲載

掲載日:2015/03/13(FRI)

[記事公開日]2015/03/13(金)

過去の記事へ