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ベトナムからはじめての介護福祉士候補者を迎えて
~平成26年度ベトナム介護福祉士候補者辞令交付式

インドネシア、フィリピンに続いて、ベトナムとのEPA(経済連携協定)にも介護・看護人材交流が盛り込まれ、去る6月、第一陣の候補者が来日。合計138名の人材が日本語や介護の導入研修を終え、8月15日から全国各地の施設で就労開始しました。
健祥会へも12名が仲間入りし、8月24日、管理職者が一堂に会して辞令交付式が行われました。式典では、中村晃子健祥会本部長の開会の辞に続き、日本・ベトナム両国の国歌、健祥会の歌「舞踏会」を斉唱。中村太一理事長から一人ひとりに辞令書と記念品(国家試験合格を期して電子辞書)が手渡されました。


中村太一理事長あいさつ

ベトナムと日本とのEPAによる介護福祉士候補者、第一期生として来日された皆さん、健祥会にようこそ。皆さんを我々の仲間として心から歓迎します。
インドネシア、フィリピンに続いて、ベトナムからの人材を迎え入れることは、健祥会グループ創始者であり、前理事長である中村博彦の大きな夢への架け橋でした。創始者は、人口減少・少子高齢の日本の介護現場の人材不足を心配し、また、アジア諸国もいずれ高齢化に直面するとして、早くから「アジアはひとつ」を唱え、外国人介護職の受け入れを政府に熱心に提案してきました。その結果、皆さんの母国とのEPAの中に「人の移動」として盛り込まれたものです。
創始者は昨年7月、病のために亡くなってしまい、待ち望んでいたベトナムからの皆さんを迎えることができませんでしたが、皆さん方に、日本の介護と、やがて高齢化するアジアの介護を担うグローバル人材になってほしいとの強い思いをもっていました。そして、自らが提案した制度が、公平公正な制度となり、真の人材開国が図られるよう、必死に尽力してきました。そのかいあって、国家試験の方法や、介護報酬下での扱いなど、スタート当時と比べると、その仕組みはずいぶん改善されてきています。
健祥会グループは日本の中でもっとも多くEPA人材を受け入れている法人であり、国家試験合格のために手厚いサポートをしています。現在健祥会グループにおいては、インドネシア65名、フィリピン41名、合計106名の先輩が仕事についており、そのうち39名が介護福祉士の国家資格を取得しています。たくさんの先輩たちが一生懸命頑張って、利用者さんたちからも高い評価をいただいています。そして今、皆さん方を迎え、日本、インドネシア、フィリピン、ベトナムの人材が集うさらにすばらしいグローバル職場となりました。
創始者はASEAN各国とつながりが深く、ベトナムのことも大好きでした。グエン・タン・ズン首相ともたびたびお目にかかり、ドアン・スアン・フン大使が健祥会を訪れてくださったこともあります。ASEANの生産・物流拠点として経済発展著しいベトナムは、今は平均年齢28.7歳の若い国ですが、日本より早いペースで高齢化がすすむと言われており、ベトナム・日本両国が未来への希望を託して皆さん方を応援しているのです。
家族のもとを離れ、見ず知らずの地で働きながら学ぶのは大変だと思います。ふる里や家族が恋しくなることもあるでしょう。けれど、今の気持ちを忘れず、夢を投げ出さず、互いに励まし合って、自分のために、家族と祖国のために、目的に向かって努力し、成長してください。
「日本で頑張って、いつか祖国のため、アジアの連携のための力になってほしい」と誰よりも皆さん方に期待し、心を寄せていた創始者の思いをしっかりと胸に止めておいてください。
私もその思いを引き継いで、親御さんから大切なお子さんを預かったというつもりで、皆さんが頑張れる環境を整えて、精いっぱいサポートするつもりです。
どうか先輩や上司に何でも相談し、教えを乞い、日本の風習と介護現場を早く理解し、健祥会のこころと先進介護を身に付けていってください。そしてそれぞれの施設で入所者さん利用者さんから喜ばれる人材になってください。ともに頑張りましょう。
今日、新しい施設「笑顔」がオープンしました。そしてはじめてベトナムの人材を迎えました。ふたつの新しい風が健祥会に注がれたのです。皆さんに期待しています。そして他の職員、管理職も、この風に乗り遅れることのないよう、新しい健祥会づくりにつとめていきましょう。


中村理事長の言葉を受け、就任者を代表して、ホアン・ティ・ズンが、「私たちベトナム人介護福祉士候補者12名は ただいま辞令をいただき、健祥会グループの一員となることができました。
介護先進国日本のトップリーダーである 健祥会グループの職員として、最先端の介護を学んでいけることに、歓びと身の引き締まる思いでいっぱいです。
一日も早く施設での生活に慣れ、あたたかく迎え入れてくださった皆様の期待に応えられるよう、仕事に、勉強に、最善を尽くしてまいります。
3年後の国家試験に合格し、晴れて日本社会の支え手となるために、そして、今はまだ若い母国ベトナムがいつか介護を必要とする日のために、健祥会グループ職員としての誇りと自覚を持ち、礼儀と感謝の心で一日一日を過ごし、一生懸命努力することを誓います。どうかご指導よろしくお願いいたします」と決意表明しました。


12名は各施設で就労し、3年後の国家資格取得をめざします。入所者・利用者様、地域の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

徳島新聞│2014/08/25掲載
■徳島新聞│2014/08/25掲載

[記事公開日]2014/08/26(火)

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