春らしく穏やかな気候に心和む季節を迎え、皆様方におかれましては、ますますご健勝のことと存じます。
新年度を迎えるにあたり、改めてここ数年を振り返ってみますと、新型コロナウイルス感染症の猛威に翻弄され、日常生活の当たり前の営みさえままならない状況が続いてきました。
また、世界情勢の不安定さ等からくる物価高騰や、人口構造による少子高齢化や働き手不足、ICT技術の急伸等、先の見通せない課題が散見されています。
先行き不透明で、将来の予測が困難な時代にありますが、政府からは新型コロナウイルスの感染症法の位置づけを5類へ変更する旨の方針が示される等、日常生活を取り戻す明るい兆しが見えつつもあります。
このような社会情勢を踏まえ、私たちは今年の取り組み方針として、「こころ」と「digital」を掲げました。「こころ」とは私たち健祥会グループの原点であり、バイエルンの施設理念「礼あり優あり」にも通ずるものであります。新型コロナウイルスとの共生社会がもうすぐ始まります。感染対策をより強固なものとしながら、生活に潤いと楽しみを感じて頂けるよう、職業人として、人としての優しくあたたかな心を胸に、サービスを提供して参ります。
また、進化するテクノロジーや介護機器をしっかりと見極め、利用者様の安全・安心をより一層高める取り組みを進めて参ります。全館wi-fiを活用し、見守り機器・職員同士の情報共有機器等を導入いたしました。未だ発展段階にありますが、サービスの質向上・働きやすい職環境づくりに資するものと、職員一同期待を膨らませています。
当施設がこの地に開所し20余年。あたたかく迎えて下さった地域の皆様のご恩に報いるべく、「こころ」と「digital」を融合させ、介護が必要となっても安心して暮らせる地域社会の実現を目指し、社会保障制度の一翼を担える存在となるべく、地域の皆様の明日を想い、一歩ずつそのあゆみを進めて参ります。今後ともご指導を賜りますようお願い申し上げて、新年度のご挨拶とさせていただきます。
健祥会バイエルン
施設長 井出 主樹