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春の嵐の中、177名の新入生を迎えて
第18回 徳島健祥会福祉専門学校入学式
平成25年4月6日、徳島健祥会福祉専門学校に、介護福祉学科83名、理学療法学科40名、作業療法学科40名、保育学科14名計177名を迎え、第18回入学式が挙行されました。
中村博彦健祥会グループ理事長告示要旨
中村博彦健祥会グループ理事長 |
「入学式の今日、外には春の嵐が吹き荒れているが、日本国も今まさに、吹き荒れる大きな大きな嵐の中にいる。アベノミクスによりデフレからインフレへ、円高から円安へと、日本は大きく変わろうとしているが、最も肝心なのは三本の矢の最後の矢、成長戦略である。50%が官製市場といわれる日本で、どう規制改革を果たし、成長していけるかが問われている。
そして、今、もっとも頑張るべき領域は『教育』だ。安倍政権において、教育委員会制度が大変革されようとしているし、教育の流れも大きく変わろうとしている。6歳に始まる明治からの義務教育制度、6・3・3・4の教育制度が今なお続いているのはあまりにおかしい。私は保育園をつくったときから3・4・5歳期こそが教育のスタートであり、もっとも大切なんだ、3・4・5歳児教育を義務教育にすべきだとずっと訴え続けてきた。よみかきそろばん、大切だ。そして5年後10年後には間違いなく英語は準公用語になる。英語教育も、翻訳英語・文法英語から、早く実用英語にしていくべきだ。ジャカルタではタクシーの運転手の80%が英語を使える。東京ではわずか数パーセントだという。これで世界から観光客が日本を訪れるはずがない。
さらに介護・医療の分野。従事者が100万人を切った製造業にかわり、雇用の担い手とならねばならないのだが、労働力を異動させ、受け皿となるには、官製市場である介護・医療を、規制改革により魅力ある業種、職場にしないといけない。
どうか、アジアの、世界のリハビリの担い手であるとの認識を持ってほしい。そして、私たちの技術がアジアのスタンダードになることを夢見て、英語という武器をぜひ身に付けてほしい。
専門性と英語力を磨く。そして国境の垣根がいくら低くなろうとも、日本人の心、精神を忘れてはならない。礼儀と感謝を忘れてはならない。皆さんの前途は明るい、頑張ろう!」
齋藤史郎学校長式辞要旨
齋藤史郎学校長 |
「専門学校で学ぶ意義は、社会の中で自立して生きていく力をつけることである。そして能力を発揮することにより社会貢献を果たしていく。では何をどのように学ぶのか。4学科に共通するのは人間を対象にするということであり、そのためにはからだとこころの仕組みを知らねばならない。6000年医学の基礎を学び、その上にそれぞれの専門性をつくっていく。コミュニケーション力も高めていかねばならない。そして、はじめて出会う専門領域であるから集中的に時間をかけて勉強してほしい。脳は鍛えれば鍛えるほど活性化される。
好奇心、行動力、思考力は誰もが生まれながらに持っている。しかし、持っているだけではダメであり、どう生かすかが大事だ。福沢諭吉は言う。『天は人の上に人をつくらず、しかし、差ができるのは、学んだか、学ばなかったかの差である』と。 理学・作業のリハビリはかつては運動機能のリハビリに限られていたが、今や心臓病や肺病に、さらには健康増進にも幅広く提供されるようになっている。介護については、専門性の高い認定介護福祉士が創設されようとしており、また、施設のマネジメントをする施設長への道もある。保育は教育も担う専門職として待遇改善が図られようとしている。
今後、日本の先端医療・福祉のノウハウは海外へでていくことになる。本校にもフィリピンやインドネシアからの留学生を迎えてきたが、彼らは学習意欲が非常に高く、日本語の上達も早い。皆さんも頑張って英語を身に付け、広く海外へ目を向け、世界進出の一翼を担ってほしい。多くを学び、有意義な時間を過ごし、立派な専門職になってほしい。そのための学びの環境を整え、しっかりと皆さんをサポートする」
グローバル人材をめざす
礼儀と感謝を忘れず
理事長の告示、校長の辞に続いて、入学生代表が、「介護・医療・保育は、大転換期にある日本を担い支えるために、新しい時代へと歩み出しました。私たちは、自らの選んだ道の、その役割の重さを胸に、競い合いの時代を逞しく生き抜く専門職となるために、今、ここに誓います。『福祉は人、人は心』『初めに意志ありき、観察眼を養え、問題提起力を持て、そして労を惜しむな』・・・健祥会が掲げるこの言葉の真意を体し、専門性と人間性を陶冶しながら、『進化する自分』をつくります。視線を広く世界に向けながら、常に高みを目指して『切磋琢磨』いたします」と決意を宣誓。中村理事長から自身の半生を綴った「草の根闘魂」と健祥会専門学校のテーマ曲「こころ21」のCDが記念品として贈られました。「草の根闘魂」には「グローバル人材をめざす、礼儀と感謝を忘れず」と、学生たちへの期待を込めたメッセージが記されています。
■徳島新聞2013/4/7掲載 |
[記事公開日]2013/04/09(火)