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リハビリテーションを訓練室から生活の場へ 生活行為向上マネジメントを学ぶ
徳島健祥会福祉専門学校教員が
講師となって
健祥会グループでは施設刷新・戦略部に給食部会、リハビリテーション部会、ケアマネジャー部会、特養部会など様々な専門部会を設け、それぞれに勉強会・研修会を開催し、課題把握と改善、サービスの質向上を図っています。
このほどリハビリテーション部会において生活行為向上マネジメント研修が開催され、徳島健祥会福祉専門学校 作業療法学科長河野裕美子が生活行為の考え方とマネジメントの概要を講義、同じく主査・作業療法学科教員 岩佐英志による事例検討が行われました。
平成29年度までに要支援1・2の通所介護、訪問介護サービスが介護保険事業から外れ、市町村による地域支援事業となり、通所介護にリハビリテーションが必須となる流れの中で、ケアマネジャー、介護福祉士など、通所介護・通所リハビリテーションのスタッフが生活行為向上マネジメントを学びました。
「心身機能」「活動」「参加」に
バランスよく働きかけるリハビリテーション
生活行為向上マネジメントは一人ひとりにとって意味のある作業、必要な生活行為に焦点をあてた作業療法のプロセスです。
そして、リハビリテーションといえば機能訓練室で平行棒につかまって歩行練習をしたり、関節を伸ばしたりという身体機能訓練のイメージが強いですが、それだけでなく、食事や排泄などの生活行為ができて、それらがつながって、その人の生をよみがえらせるのが本来のリハビリテーションです。生活は身の回りの生活行為から家事、仕事、趣味、地域活動まで、意味のある行為連続で成り立っています。「心身機能・身体構造」「活動」「参加」が生活機能の3要素です。人はこうした生活行為により、満足感や充足感を得て生きており、人を心身機能の側面からの理解だけでなく、「生活する人」として包括的に捉えることが大切なのです。
人は作業することで健康になる
リハビリテーションを訓練室から生活の場へ。利用者様に向き合いご家族に向き合い、生活行為聞き取りシートにより目標を明らかにするとともに、自己評価することで動機付けを図りながら、アセスメントや目標設定、段階的なプログラム設定などを行います。その過程を通じて本人とスタッフが一緒に「どのような生活行為をどのように行いたいか」を考え、さらには生活行為の波及効果もめざしながらすすめていく大切なケアが生活行為向上マネジメントであり、生活行為向上リハビリテーションであることを学びました。
人は作業することで健康になれます。障がいをもっても高齢者になっても「自分らしい生活」を送るという当たり前のことを実現してゆくために、作業療法士などのリハビリテーション専門職と介護職、ケアマネジャーなどの多職種が協働してサポートしてゆきたいと思います。
恵まれた環境に感謝して
健祥会グループでは、様々な研修を用意してサービスの品質向上と職員のキャリアアップに努めています。この日のように、作業療法という専門領域の最先端を学ぶことができるのは、グループ内に福祉専門学校があるからこそ。参加した職員は「学びの機会をたくさんいただける恵まれた環境に感謝しています。利用者様のためにしっかり活かしていきたいです」と語ってくれました。
[記事公開日]2015/11/04(水)