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理事長挨拶(2022/01/01)


変化への対応力としなやかさを力に

医療・介護・教育保育、社会にとって必要不可欠なエッセンシャルワークを担う事業体として、私たちは今、コロナ禍の中で獲得してきた変化への対応力としなやかさを力に、新しい年に向き合っています。
コロナ2年目となる昨年は、安心安全への経験値を高め、状況の許す限りさまざまな活動に取り組んできました。ICT推進、健康経営、女性活躍・子育て支援、コロナ感染対策などについては、表彰状や感謝状をいただきました。リモートによる研修や会議もすっかり日常のものとなりました。
グループの総力をあげて、コロナワクチンの職域接種に挑んだことがいちばん大きなトピックです。職員と学生をはじめ、そのご家族や地域の皆様、あわせて1800人もの方に早期に接種していただき、社会のお役に立つことができました。コロナ禍という制約の中で未来へ続く前向きな活動ができたことを嬉しく思っています。

未来につながる活動を

コロナ感染症により、デジタル関連などの一部を除き、さまざまな業種が痛手を受けてきました。医療福祉の世界も然りであり、感染対策に神経をすり減らす中、介護サービスの利用控え・医療の受診控えは顕著な状況でした。クラスターの発生した施設などは本当に大変な状況だったようです。
健祥会グループでは幸い大きな混乱はなく、利用者様やご家族にご理解ご協力をいただきながら、制約の中だからこそ日々の暮らしに喜びを感じていただけるよう努めてきました。
この先、withコロナが続くとしても、いつものデイサービスでなじみの顔に会い、楽しく過ごすことができる、施設に預けて安心して仕事ができる、また、育児のために仕事を諦めることもない、そんな日常を取り戻したいです。
サービスを利用せず、家でお世話することになれば、運動不足でフレイル状態に陥ったり、介護度が悪化すれば家族の負担増に直結し、介護離職などが引き起こされます。職を投げ打って介護することになれば、ご家族が大変なだけでなく、社会経済の損失でもあります。
私どもの事業は、利用者様と園児、そのご家族を支えることで、経済の下支えをしている、そういう認識をコロナ禍の中でこれまで以上に強く持っています。

原点にしっかりと拠って立つ

各地にある私たちの施設は、地域に溶け込み、人が集うコミュニティの核となっています。同時に、地域に雇用を生む場でもあります。職環境を整えることで中山間部の人口増にも寄与できています。地域経済の縁の下の力持ちを自ら任じて、その役割をしっかり果たしてまいりたいと考えています。
コロナ禍により、社会に必要不可欠なものとしてエッセンシャルワーカーの仕事の意義が評価され、介護士・保育士等の待遇改善もすすんでいます。その評価に応えるためにも、安心安全の先に必要なのは、信頼のグレードアップとサービスの質のレベルアップです。そのために今、私たちに必要なのは、原点にしっかりと拠って立つことだと考えます。
原点とは、43年前に掲げたグループの会是「福祉は人 人は心」です。福祉職である前に人としての原点、あるべき姿に今一度立ち還りたい、そんな気持ちで令和4年訓を定めました。

掃除がきちんとできているか、気持ちの良い挨拶ができているか、礼儀と感謝を忘れていないか、そして家族の心でお世話できているか。自分の親を任せたい施設か、自分の子どもを通わせたいこども園か、自分が学びたい学園か。こうした当たり前を、365日、職員一人ひとりが日々本気で自らに問い、心から職務に向き合って、上質なサービスづくりに努めてまいります。
世の中はどんどん動いています。変化の動きに遅れないよう、むしろ、先んじていけるよう、AIなどのテクノロジーや科学的データの活用に取り組みつつ、今後もアンテナを高く張りながら、原点は愚直に守り続ける、そんな令和4年にしたいと考えます。
未来は予測不能ですが、何がどう変わろうと、地域の皆様の安心と安全を守ることが私たちの使命。「サービスの質の追求」「職環境の充実」「地域社会への貢献」という不変の行動指針のもと、明日を想い、地域に希望を紡いでまいります。

2022/01/01

令和4年訓