理事長挨拶 (2015/01/01)
「初めに意志ありき」
先人たちの労苦を胸に新しい時代へ
「福祉は人 人は心」「心と心」を掲げ、 ひとつの特別養護老人ホームから出発した健祥会は、 1979年の創立以来、中村博彦前理事長の強いリーダーシップのもと、現場のニーズに応えるために規制と闘い、 規制の壁の一つひとつを実践で乗り越えながら数々のヒット商品を生み出し、高齢者施設の運営をはじめ、 幼児教育、人材育成など広く事業展開を図ってまいりました。社会福祉法人として、地域の健康づくりやスポーツ・文化振興など、様々な社会貢献事業を精力的に展開しながら、徳島から、香川、高知、大阪、京都、東京へとそのフィールドを広げ、今やスケールにおいても、クオリティにおいても日本有数の福祉事業体へと成長させていただいております。
この間、福祉サービスは措置から契約へと様変わりするとともに、日本の社会構造も経済状況も大きく変化しました。長期デフレからの脱却による日本再生と、超少子高齢化に対応した国づくりをめざす今、介護・福祉、医療、教育・保育は成長戦略の一翼を担う「新成長産業」と位置付けられており、私たちは、雇用を生み出す地域活性化の核として、また内需の担い手として、さらには輸出産業として、効率化と生産性で新しい時代を拓いてゆくという新たな使命を負っています。
社会保障分野ももはや聖域ではなく、介護・福祉、医療、教育・保育が「新成長産業」たるには、民間活力の活用と供給体改革が急務です。その担い手である私たち社会福祉法人もガバナンスを発揮し、質の高いサービスを提供する供給体へ、働きがいのある職場へとさらなる改革を進めていかねばなりません。
健祥会グループは介護先進国日本のトップリーダーとの自負のもと、「挑戦型」社会福祉法人として改革の先陣を切って、科学的介護、就学前教育、ASEAN諸国との連携など、先駆的事業に取り組み、新しい時代へと大きく歩み出しています。
特に介護・福祉においては、エビデンスに基づいた科学的介護で認知症ケア・看取りケアを担い、「地域を支える拠点施設」としてサービスの高機能化を図ることが喫緊の課題。高齢化のピーク・2025年に向かって、前理事長が提唱した「新成長産業としての介護」を実践し、国民の安心を担う「地域包括ケア」をつくり、魅力ある雇用の場の創出につとめてまいる覚悟です。
「初めに意志ありき」・・・・中村博彦前理事長が掲げ続けた「弱きものに光のあたる社会」への志、普遍の「弱者視点・現場視点」、「社会貢献」への使命感を私たちはしっかりと受け継ぎます。「礼儀と感謝」をはじめとする数々の教えと30余年の歴史の重み、先人たちの流した「汗と涙」を決して忘れません。そして、前理事長が生涯を賭して拓いてきたこの道の先に新しい時代を築くために、私たちは困難に怯むことなく、切磋琢磨し、さらなる進化をめざしてまいります。
お支えくださる皆様方に深く感謝申し上げ、健祥会グループへのさらなるご支援ご鞭撻をお願い申し上げます。